30分の会議は、1通のチャットで消せます
#13|時間管理より先に、コミュニケーションを設計する話
「時間が足りない」
会社員時代、そんな言葉を何度も聞いてきました。
ぼく自身も同じように感じていた時期があります。
役職が上がり、管理する組織が大きくなるにつれて、自分の時間はどんどん減っていきました。
朝起きたら、まずカレンダーとSlackを確認する。
すると、前日の夜に新しい予定が追加されている。
報告。
相談。
質問。
確認。
気づけば一日中、誰かのための時間で埋まっています。
自分の仕事ができるのは朝早くか、定時後。
そんな時期がありました。
今回の記事は、
時間管理やスケジュール管理ではなく、
「コミュニケーションの設計」で解決する方法の紹介です。
ぼくが作った「相談ルール」
役職が上がり、相談や会議が増えていく中で、
ぼくは一つのルールを作りました。
それが「相談ルール」です。
内容はシンプルです。
①スケジュールのタイトルの先頭に、
【相談】【報告】【質問】【確認】のどれかを付ける。
②概要を記載する。
③自身の考え・仮説を記載する。
④関連資料やリンクを添付する。
なぜこんなルールを作ったのか。
「その会議、本当に必要ですか?」
と思うことが少なくなかったからです。
また、何について話すのかが曖昧なまま、時間だけ確保されていることもありました。
内容が事前に整理されていれば、会議までの時間を有効活用できます。
必要な資料も確認できます。
事前に回答できることもあります。
実際、このルールを導入してから、
「その件ならこの資料を見てください」
で終わることが増えました。
チャットで回答して解決。
30分確保していた会議が、そのまま不要になります。
最終的には、ぼくが管轄している組織だけ、
チャットのみで業務が進むようになりました。
社内電話も原則禁止です。
電話は便利な反面、相手の作業を中断させてしまうからです。
もちろん、本当に緊急で重要な案件であれば別です。
電話の方が早いという意見もあります。
でも、相手が出なかったらどうでしょう。
折り返しを待つ。
またかける。
タイミングが合わない。
これを何度も繰り返すくらいなら、最初からチャットで要件を整理して送った方が早いケースもあります。
事前に文章で送っておけば、相手は回答の準備ができます。
結果として、回答の質も上がります。
つまり、ぼくがやりたかったのは会議を減らすことではありません。
相手の時間を奪わないためのコミュニケーション設計です。
ただ、このルールを作った時、みんなが喜んだわけではありませんでした。
組織にルールを浸透させる方法
今回はルールを浸透させる側の話をしていますが、ここで1点注意があります。
管理職やリーダーになると、
「こっちの方が良い」
と思うことが増えます。
実際、ぼくもそうでしたが、
その時にやってはいけないことがあります。
それは、自分が正しいと思ったことを、
そのまま組織に押し付けることです。
なぜなら、自分とメンバーでは見えている景色が違うからです。
優劣ではなく「違い」です。
当時のぼくは、プレイヤー時代から色々なやり方を試してきました。
当然、入社したばかりの人よりも、「より良いやり方」はイメージできていたと思います。
でも、メンバーはまだその経験を積んでいません。
ぼくが知っていることを、まだ知らないんです。
だから、ぼくはこう伝えました。
「たぶん最初は面倒くさいと思う。」
「だから、一生このルールでやろうとは言わない。」
「まずは3週間だけ試してみよう。」
「そのあと匿名アンケートを取る。」
「その結果、前のやり方が良いなら戻そう。」
そんな形でスタートし、3週間後のアンケートでは全員がルールの継続を希望しました。
会議が減ったのに仕事が進む。
帰宅時間が早くなった。
その年、ぼくが管理していた部署は会社から表彰を受けることになります。
成果が上がったのに、労働時間が減った。
その体験をみんなにしてもらうことができました。
人は正しさだけでは変わりません。
でも、自分で体験したことは信じます。
過去、自分が多くの検証を通じて良いやり方を理解しているのであれば、あとはそれを短期間だけメンバーに体験してもらえば十分です。
逆に、単なる思いつきの施策に組織を巻き込まない。
その場合は理解者のみでスモールで検証。
ぼくはこのような考え方で行動していました。
相手の時間を奪わないコミュニケーション設計
相談ルールを導入したことで、労働時間が減り、成果も上がりました。
最終的には社内コミュニケーションのほとんどがテキストで完結するようになりました。
では、なぜうまくいったのでしょうか。
今振り返ると、理由はシンプルです。
相手の時間を奪わないコミュニケーションになったからです。
相談ルールも。
電話の運用も。
やっていることは同じでした。
情報を整理する。
相手が判断しやすい形で渡す。
必要以上に相手の時間を使わない。
それだけです。
時間管理というと、スケジュールやタスク管理を思い浮かべる人が多いでしょう。
もちろん、それも大切です。
ただ、組織の中で本当に時間を生み出すのは、コミュニケーションの質を上げることだとぼくは考えています。
結果として、会議は減りました。
労働時間も減りました。
成果も上がりました。
でも、ぼくが本当に変えたかったのは会議の数ではありません。
コミュニケーションの質です。
振り返ると、それが時間を生み出す一番の近道だったように思います。
相談ルールも、電話の運用も、特別なことではありません。
やっていたことはとても地味です。
ただ、こうした地味な仕組みは、一度定着すると長く効果を発揮してくれます。
管理職時代を振り返ると、成果が出ていた組織ほど、コミュニケーションが整理されていました。
逆に、問題が起きる組織ほど、コミュニケーションが属人化していました。
もし組織運営やチーム運営に悩んでいる方がいれば、一度コミュニケーションの流れを見直してみると面白いかもしれません。






業務を効率的にという視点ばかりで、相手の時間を奪わないという視点は全くなかったです。
コミュニケーションコストの課題は組織のボトルネックになりがちだと思うので、チャット項目など参考に改善していきたいと思います♪